槍のような

前に記事を書いてから一ヶ月たった。黒く染めた髪は少し色が抜けてきている。

あれ?今日ってホワイトデーなのか。そういうイベントに縁がなさすぎて気が付かなかった。

 

昨晩は久しぶり会った友人とお酒を飲んで色々話した。父親が亡くなったとか今は彼女を作る気が無いとか、小説を書き始めたとか。彼は大阪の人だったから、友達に連絡をしつつ宿を探していた。が、そう簡単には見つからない。

「他人に期待するとしんどくない?」

そんな風に声をかけると一瞬彼の表情が曇って、また普通に戻った。キツいことを言ってしまったかもしれない。そう気付いたのは帰宅してから少し眠った後だった。

自分は、他人にいい風にみられたいとかそういう希望がない。自分を取り繕うようなことをしたくないし、そういうのは不自然で気持ち悪くて疲れるだけだと思っている。そんな生き方をしばらくしていたが、ひとつ違和感があった。

 

仕事では他人に対して丁寧な接し方をできる。言わずもがな基本的なことではあるが、対価を約束されているという要因が大きい。目に見える財産は大切であるし、それに向かって労働することを私は好む。

しかし、プライベートになるとどうだろう。昨日の件もしかり、私は「他人に見返りを求めないぶん、自分も他人への思いやりをケチっている」のだと分かった。それが違和感のもとであるのだろう。

いくら自己完結した生き方をできたとしても、他人を不愉快にさせてはいけない。道徳の授業は思想の押し付けがましさが気持ち悪くて嫌いだったけど、ちゃんと受けていたらもっと他人の気持ちに触れることのできる人間になれていたのだろうか。